Shopifyでサブスクリプションを始めるには?おすすめアプリや成功事例を紹介

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Shopifyでのサブスク事業の始め方を解説。おすすめアプリの比較、成功事例、失敗しないための注意点まで網羅。あなたのECを次のステージへ。

目次

    EC市場のトレンドとして、「サブスクリプション(以下サブスク)」が急速に拡大しています。商品を一度売って終わりではなく、顧客と継続的な関係を築き、安定した収益を生み出すこのビジネスモデルは、多くの事業者にとって魅力的です。

    世界No.1のECプラットフォームであるShopify(ショッピファイ)を使えば、専門的な知識がなくても、比較的簡単にサブスク事業を始めることができます。

    この記事では、Shopifyでサブスクを始めるための具体的な方法、おすすめのアプリ、そして事業を成功に導くためのポイントを、成功事例を交えながら徹底解説します。


    そもそもサブスクリプションビジネスとは?

    サブスクとは、顧客が定額料金を定期的に支払うことで、商品やサービスを継続的に利用できるビジネスモデルです。まずはその種類と、事業者側から見たメリット・デメリットを理解しましょう。

    サブスクリプションの3つのタイプ

    サブスクは、提供する価値によって主に3つのタイプに分類されます。

    • 補充・消耗品型(リプレニッシュメント型):化粧品、サプリ、食品など、定期的に消費される商品を自動で届けるモデル。顧客の買い忘れを防ぎ、利便性を提供します。
    • キュレーション型:コーヒー、お酒、コスメなど、専門家が選んだ商品を毎月届けるモデル。「新しい発見」や「特別な体験」という価値を提供します。

    サブスクのメリット・デメリット

    メリット

    • 収益の安定化と予測:毎月決まった収益が見込めるため、事業計画が立てやすくなります。
    • LTV(顧客生涯価値)の向上:顧客との関係が長期化するため、一人当たりの顧客が生み出す利益が大きくなります。
    • 在庫管理の最適化:発送数やタイミングが予測できるため、過剰在庫や在庫切れのリスクを軽減できます。

    デメリット

    • 顧客満足度の維持が必須:サービスに満足してもらえなければ、すぐに解約(チャーン)されてしまいます。
    • 継続的なコンテンツや商品開発:顧客を飽きさせないために、常に新しい価値を提供し続ける必要があります。
    • 複雑なシステム要件:定期的な決済処理、マイページでの配送スキップや解約など、独自のシステムが必要です。

    Shopifyでサブスクを始める方法とおすすめアプリ

    Shopifyの標準機能だけでは、サブスクの複雑な決済や顧客管理は実現できません。そのため、専用の「サブスクリプションアプリ」を導入するのが一般的です。

    ここでは、代表的なアプリを比較しながらご紹介します。

    代表的なShopifyサブスクリプションアプリ

    数あるアプリの中でも、特に実績が豊富で信頼性の高いものをピックアップしました。

    アプリ名特徴料金(目安)おすすめの事業者
    Shopify SubscriptionsShopify公式アプリ。基本的な機能に絞られており、シンプルで使いやすい。Shopify ペイメントが必須。無料(取引手数料なし)初めてサブスクを導入する小規模事業者
    Recharge Subscriptions最も導入実績の多い代表的アプリ。機能が豊富で、API連携による拡張性も高い。$99/月 + 取引手数料本格的にサブスク事業を拡大したい中~大規模事業者
    Mikawaya日本の商習慣に特化した国産アプリ。「〇回縛り」やマイページのカスタマイズなど、日本独自のニーズに対応。$49/月~ + 取引手数料日本の顧客に合わせた細やかな設定をしたい事業者
    Bold SubscriptionsRechargeと並ぶ大手アプリ。顧客が自分で商品を組み合わせられる「Build-a-Box」機能などが強力。$49.99/月 + 取引手数料キュレーション型やカスタマイズ性の高いサブスクを提供したい事業者

    【補足】Shopify Functionsによるカスタマイズ

    より高度なカスタマイズを求めるなら、「Shopify Functions」の活用も視野に入ります。開発知識が必要ですが、「3回目は10%オフ」「特定の商品を追加したら送料無料」といった複雑な割引ロジックを自社で組むことが可能になります。


    【応用編】サブスクとレンタルサービスの組み合わせ

    サブスクリプションは、単なる商品販売だけでなく、「利用権」を提供するレンタルビジネスとも非常に相性が良いモデルです。

    例えば、月額料金で商品を貸し出す「家具・家電のレンタルサービス」や「ファッションレンタル」は、まさにアクセス型のサブスクリプションと言えます。

    ShopifyでレンタルECを構築することで、サブスクモデルを応用した新しいビジネスチャンスを掴むことが可能です。
    ※詳細をご希望の方はレンタルGOまでお問い合わせください。


    国内外のShopifyサブスク成功事例

    Shopifyを使ってサブスク事業を成功させている企業は数多くあります。具体的な事例を見ることで、自社ビジネスのヒントを得ましょう。

    PostCoffee(日本)

    コーヒーの診断を通して、約30万通りの中からユーザーに合ったコーヒー豆を毎月届けるキュレーション型のサブスクです。パーソナライズされた体験と美しいデザインで多くのファンを獲得しています。
    公式サイト

    KINTO(日本)

    トヨタが展開する車のサブスクリプションサービス。車両代金だけでなく、保険やメンテナンス費用も月額料金に含まれる手軽さが人気です。ECサイトの基盤にShopify Plusを採用しています。
    公式サイト

    ButcherBox(海外)

    高品質な牧草牛などの精肉を定期的に届ける補充型のサブスクです。消費者の「安心・安全な食」へのニーズを捉え、急成長を遂げました。
    公式サイト


    成功するサブスク事業の3つのポイント

    最後に、Shopifyでサブスク事業を立ち上げ、継続的に成長させるために不可欠な3つのポイントを解説します。

    1. 顧客が「続けたい」と思う価値を提供し続ける

    サブスクは、最初の1回を売ることがゴールではありません。顧客が「来月も利用したい」と感じる価値を提供し続けられるかが最も重要です。商品の品質はもちろん、同梱物の工夫や限定コンテンツの提供など、顧客体験全体で満足度を高めましょう。

    2. 解約率(チャーンレート)を常に監視し、改善する

    どれだけ新規顧客を獲得しても、解約率が高ければビジネスは成長しません。顧客がなぜ解約するのか、アンケートなどで原因を分析し、サービスの改善に繋げるサイクルを回すことが不可欠です。

    3. 柔軟なマイページ機能を提供する

    顧客が自身のタイミングで「配送を1回スキップする」「お届けサイクルを変更する」「商品を切り替える」といった操作を簡単にできるようにしましょう。顧客にとっての利便性を高めることが、長期的な利用に繋がります。


    まとめ

    Shopifyと専用アプリを活用することで、サブスクリプションという強力なビジネスモデルを、誰でもスピーディーに始めることができます。

    重要なのは、顧客との長期的な関係を築き、継続的に価値を提供していく視点です。本記事で紹介したアプリや成功事例を参考に、ぜひあなたのビジネスを次のステージへと進めてください。

    この記事の監修者

    株式会社ミライガタリ代表取締役 上岡裕
    多数のレンタル事業者のECサイト構築を手がけ、業界に特化した豊富な実績を持つ。EC構築、アプリ構築の知見を土台に商工会議所等の相談員講師として活動し、多くの事業者のサポートを行う。事業のDX化による経営改善が得意領域。
    レンタル事業の社会的、経営的強さに魅せられEC構築サービス『レンタルGO』発案、開発。自身が代用を務める株式会社ミライガタリにてサービスを提供中。
    都城工業高等専門学校卒。1児の父。