シーズンオフの在庫をどうする?遊休資産を収益に変えるアイデア3選

季節の変わり目は、ECサイト運営者にとって悩ましい時期です。「仕入れた商品が予想よりも売れ残ってしまった」「次のシーズンの商品を並べたいが、倉庫のスペースがない」といった課題に直面していませんか?

特にアパレルやアウトドア用品、季節家電などは、シーズンを過ぎると需要が急激に落ち込みます。しかし、ただ倉庫に眠らせておくだけでは、保管コストがかさむ「負債」になりかねません。

そこで今回は、シーズンオフの在庫(遊休資産)を効果的に活用し、収益に変えるための3つのアイデアをご紹介します。単なる安売りではない、次世代の在庫活用術として「レンタル化」についても解説します。

目次

    1. 会員限定の「ディスカウント」や「シークレットセール」を行う

    最も一般的な方法は価格を下げることですが、ECサイト上で誰でも見られる状態で値下げ(セール価格設定)をしてしまうと、ブランドイメージの低下や、定価で購入した既存顧客の不満を招く恐れがあります。

    Shopifyでは、定価を下げる「セール」とは別に、特定の条件で割引を適用する「ディスカウント」機能や、閲覧制限をかける「アプリ」を活用するのが効果的です。

    • ディスカウント機能を活用する: メルマガ会員やLINE登録者にだけ「クーポンコード」を配布し、決済時に割引を適用します。一般の訪問者には定価のまま見せることができます。
    • 会員限定アプリを導入する: 特定のタグが付いた会員(VIP客など)だけがアクセスできる「シークレットセール会場」をアプリで作成し、クローズドな環境で在庫を処分します。

    これらは即効性がありますが、利益率は確実に低下します。あくまで「現金の回収」と「倉庫スペースの確保」を最優先する場合の手段と言えます。

    また、在庫を抱え続けるリスクについては、以下の記事でも詳しく解説しています。金融機関からの評価にも関わる重要なポイントですので、ぜひ参考にしてください。

    内部リンク:レンタルビジネスの資金調達!金融機関へのアピールポイントを解説

    2. 「ミステリーボックス」や「セット販売」で単価を上げる

    在庫処分の際に、単品での値引き販売よりもエンターテインメント性を持たせることができるのが、セット販売や福袋(ミステリーボックス)の手法です。

    テーマ性のあるセットを作る

    単に売れ残りを詰めるのではなく、利用シーンを提案するセットにします。

    • キャンプ用品の場合: 「秋キャンプデビューセット(テント+寝袋+ランタン)」
    • アパレルの場合: 「来年も着られるベーシックカラーコーデセット」

    これにより、「安売りされているもの」ではなく「お得なセット商品」として認識され、客単価を維持したまま在庫を消化できる可能性があります。

    3. 「販売在庫」を「レンタル在庫」へ転換して資産化する

    3つ目のアイデアは、売れ残った商品を無理に売らず、「レンタル商品」として貸し出すビジネスモデルへの転換です。

    シーズンオフの商品は、その時点での販売需要は低いですが、商品の機能的価値が失われたわけではありません。翌シーズン、あるいは異なるニーズを持つ層に向けて「レンタル」として提供することで、1回きりの販売利益ではなく、継続的な収益を生む「資産」に変えることができます。

    レンタルのメリット:在庫が収益を生み続ける

    例えば、冬物の高機能ダウンジャケットが売れ残ったとします。これを大幅な値引きで処分してしまえば、そこで終わりです。

    しかし、レンタル在庫として保管しておけば、以下のような活用が可能です。

    • 翌シーズンのレンタル: 「買うほどではないが、旅行で数日だけ使いたい」というニーズに応える。
    • 「購入前のお試し」として提供: 高額商品は、一度使ってから購入を決めたいという需要があります。レンタルで気に入ってもらえれば、そのまま販売につなげることも可能です。

    このように、在庫を廃棄や安売りで処理するのではなく、レンタル事業の種として活用することで、LTV(顧客生涯価値)を高めることができます。

    レンタルを開始する場合、商品の配送や返却フローを整える必要があります。往復送料の設定などは通常の物販とは異なるため、以下の記事で事前にチェックしておくことをおすすめします。

    内部リンク:往復送料を考慮した、レンタルECの最適な送料設定と表示方法

    Shopifyでレンタルを始めるなら「レンタルGO」

    「在庫をレンタルに回したいけれど、システム構築が難しそう」

    そうお考えのShopifyマーチャント様におすすめなのが、Shopifyアプリ「レンタルGO」です。

    レンタルGOを導入すれば、現在のShopifyストアにカレンダー機能を追加し、誰でも簡単にレンタル販売を開始できます。

    在庫活用に役立つ「レンタルGO」の機能

    機能名在庫活用へのメリット
    カレンダー予約機能お客様が借りたい期間をカレンダーから直感的に選べます。注文完了に合わせて在庫が更新されるため、手動管理によるミスを減らせます。
    そのまま購入機能
    ※上位プランのみ
    レンタルして気に入った商品を、差額を支払うことでそのまま買い取れるオプションです。レンタルから販売へのスムーズな転換を促します。
    在庫管理機能レンタル用在庫のステータス(貸出中・返却待ちなど)を管理画面で一元管理できます。

    在庫を「負債」から「資産」へ

    シーズンオフの在庫は、見方を変えれば「次のビジネスチャンス」です。
    ただ安く売ってしまう前に、レンタル商品として運用し、新たな収益の柱を作ることを検討してみてはいかがでしょうか。

    Shopifyでのレンタルサイト構築や、具体的なアプリの挙動について知りたい方は、ぜひ「レンタルGO」の公式サイトをご覧ください。

    レンタルGOの詳細はこちら

    この記事の監修者

    株式会社ミライガタリ代表取締役 上岡裕
    多数のレンタル事業者のECサイト構築を手がけ、業界に特化した豊富な実績を持つ。EC構築、アプリ構築の知見を土台に商工会議所等の相談員講師として活動し、多くの事業者のサポートを行う。事業のDX化による経営改善が得意領域。
    レンタル事業の社会的、経営的強さに魅せられEC構築サービス『レンタルGO』発案、開発。自身が代用を務める株式会社ミライガタリにてサービスを提供中。
    都城工業高等専門学校卒。1児の父。