「BOPIS」はレンタル事業に応用できるか?店舗とECの融合戦略

「BOPIS」はレンタル事業に応用できるか?店舗とECの融合戦略

BOPIS(ボピス)とは、「Buy Online, Pick-up In Store」の頭文字を取ったマーケティング用語で、ECサイトで注文した商品を実店舗で受け取る仕組みを指します。

顧客はオンラインの利便性と、店舗でのスピーディーな受け取りという両方のメリットを享受できるため、近年多くの小売業で導入が進んでいます。

この仕組みは、単なる商品の受け渡し場所を店舗に設定するだけではありません。

顧客にとっては送料の節約や待ち時間の短縮、事業者にとっては店舗への送客による「ついで買い」の促進や、顧客との接点強化など、多くのメリットをもたらすOMO(Online Merges with Offline)戦略の重要な一環です。

参考:BOPIS(ボピス)で小売の未来を創る! 導入に必要なことやメリットを解説 : 富士通

目次

    BOPISをレンタル事業に応用する3つの大きなメリット

    では、このBOPISの仕組みをレンタル事業に応用すると、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。顧客側と事業者側の両方の視点から解説します。

    1. 顧客体験(CX)の大幅な向上

    顧客にとって、レンタルサービスの利用体験は非常に重要です。

    BOPISを導入することで、以下のような価値を提供できます。

    • 送料の完全撤廃 配送にかかるコストがなくなり、より気軽にレンタルを利用できます。
    • 「今すぐ借りたい」に応える即時性 ECサイトで予約し、数時間後あるいは数十分後には店舗で受け取れるため、急なニーズにも対応可能です。
    • 商品の状態をその場で確認 特に精密機器やアウトドア用品など、状態が気になる商品も、受け取り時にスタッフと一緒に確認できるため安心です。
    • 専門スタッフからのアドバイス 例えばカメラのレンタルであれば、受け取り時に簡単な操作方法のレクチャーを受けるなど、店舗ならではの付加価値を提供できます。

    2. 事業者のコスト削減と収益機会の創出

    事業者にとっても、BOPISは経営効率を高める有効な手段となります。

    • 往復の配送コストを削減 特にレンタル事業では、貸し出しと返却で2回分の配送コストがかかりますが、店舗での受け渡し・返却にすることで、このコストを大幅に削減できます。
    • 店舗への来店促進と「ついで買い」 商品を受け取りに来た顧客が、関連アクセサリーや他のレンタル商品をその場で追加する「アップセル」「クロスセル」の機会が生まれます。
    • 梱包・発送業務の負担軽減 ECからの注文が増えるほど煩雑になる梱包作業や発送手続きの手間を省き、店舗スタッフは接客や商品メンテナンスといったコア業務に集中できます。

    3. 在庫管理の効率化と機会損失の防止

    ECサイトと実店舗の在庫を一元管理することで、ビジネスチャンスを最大化します。

    • 店舗在庫の有効活用 ECサイトの在庫がなくても、店舗の在庫を引き当ててレンタル予約を受け付けることができます。これにより、「在庫切れ」による機会損失を防ぎます。
    • 返却後すぐに次のレンタルへ 顧客が店舗に商品を返却すれば、検品後すぐに在庫に反映させ、次の予約を受け付けることが可能です。これにより、商品の回転率が向上します。

    在庫管理はレンタル事業の生命線です。
    以下の記事でもその重要性について触れていますので、ぜひご覧ください。
    レンタル業界の今後はどうなる?成功のカギと隠れたリスク

    レンタル事業でのBOPIS活用シーン具体例

    ケース1:アウトドア用品レンタル

    キャンプ場や登山口へ向かう途中にある店舗で、テントやランタンをピックアップ。

    返却も帰り道に立ち寄るだけで完結するため、顧客は手ぶらでアウトドアを楽しめます。

    ケース2:カメラ・撮影機材レンタル

    急な撮影依頼が入ったフリーランスのカメラマンが、ECサイトで機材を予約し、数時間後に店舗で受け取り。専門スタッフから最新レンズの情報を得ることもできます。

    ケース3:フォーマルドレス・着物レンタル

    オンラインで気に入ったデザインを予約し、店舗で試着してから最終決定。

    サイズが合わないといった失敗を防ぎ、安心してイベント当日に臨めます。

    BOPIS導入の課題を乗り越えるには?

    BOPISの導入はメリットが多い一方で、いくつかの課題も存在します。

    課題解決策
    在庫情報の一元管理ECサイトの在庫と店舗の在庫をリアルタイムで連携できるシステムの導入が不可欠です。
    店舗スタッフの業務フロー構築オンライン予約の確認、商品のピッキング、顧客への引き渡し、返却受付といった一連のオペレーションを標準化し、トレーニングを行う必要があります。
    システム導入のコスト初期投資と運用コストを抑えつつ、必要な機能を備えたECプラットフォームを選定することが重要です。

    これらの課題を解決し、スムーズにBOPIS型のレンタル事業を始めるなら、専用のECサイト構築サービスを利用するのが最も効率的です。

    「レンタルGO」ならBOPIS対応のECサイトが構築できます!

    弊社が提供するShopifyベースのレンタルECサイト構築サービスレンタルGOは、レンタル事業に特化した豊富な機能を標準搭載しています。

    もちろん、BOPISを実現するための「店頭受け取り機能」もオプションで簡単に追加可能です。この機能を使えば、ECサイトからの予約と店舗での受け渡しをスムーズに連携させ、在庫情報も一元管理できます。

    「レンタルGO」の主な特徴:

    • 直感的な管理画面:専門知識がなくても、レンタルプランの作成や予約状況の確認が簡単に行えます。
    • 柔軟なカスタマイズ性:お客様の事業規模や商品特性に合わせて、最適なサイトを構築します。
    • Shopifyベースの信頼性:世界No.1シェアを誇るECプラットフォームShopifyを基盤にしているため、セキュリティも万全です。

    ECと実店舗の強みを融合させ、これからの時代の顧客ニーズに応えるレンタル事業を「レンタルGO」で始めてみませんか?

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    まとめ

    BOPISは、単なる商品の受け取り方法の選択肢を増やすだけではありません。

    顧客体験を向上させ、事業者の運営効率を高め、新たな収益機会を生み出す、店舗とECの理想的な融合戦略です。

    特に、商品の受け渡しと返却が必ず発生するレンタル事業において、BOPISは非常に親和性が高く、競合との差別化を図る強力な武器となり得ます。

    この記事を参考に、ぜひあなたのレンタル事業でもBOPISの導入を検討してみてください。

    この記事の監修者

    株式会社ミライガタリ代表取締役 上岡裕
    多数のレンタル事業者のECサイト構築を手がけ、業界に特化した豊富な実績を持つ。EC構築、アプリ構築の知見を土台に商工会議所等の相談員講師として活動し、多くの事業者のサポートを行う。事業のDX化による経営改善が得意領域。
    レンタル事業の社会的、経営的強さに魅せられEC構築サービス『レンタルGO』発案、開発。自身が代用を務める株式会社ミライガタリにてサービスを提供中。
    都城工業高等専門学校卒。1児の父。