
なぜ今、「梱包・発送コスト」の見直しが重要なのか
EC事業やレンタル事業において、利益を圧迫する大きな要因の一つが「物流コスト」です。近年の運送業界における人手不足や燃料費高騰の影響を受け、配送料金は上昇傾向にあります。
特にレンタル事業の場合、商品を届けるだけでなく「返却」のフローが発生するため、単純計算で通常の物販の2倍の配送コストがかかります。また、リユースを前提とするため、梱包資材も一度きりでなく、往復に耐えうる耐久性やコストパフォーマンスが求められます。
本記事では、今日から実践できる「資材選び」と「オペレーション」の改善ポイントを解説します。
コスト削減の第一歩!賢い「梱包資材」の選び方
「たかがダンボール」と侮ってはいけません。資材選びを最適化するだけで、配送ランクを下げ、年間数万円〜数十万円のコスト削減に繋がるケースもあります。
1. 商品サイズにジャストフィットさせる
配送キャリアの料金体系の多くは「3辺合計のサイズ(60サイズ、80サイズなど)」で決まります。商品に対して箱が大きすぎると、無駄な空間(空気)を運ぶために高い送料を支払うことになります。
- 既製品の見直し:汎用的なサイズではなく、主力商品に合わせたオーダーメイドや、より細かいサイズ展開のある資材メーカー(ダンボールワンなど)を利用する。
- 高さを変えられる箱:内容量に合わせて箱の高さを調整できる可変式ダンボールを利用し、サイズダウンを狙う。
2. レンタル事業なら「通い箱(リターナブルボックス)」を検討
レンタル事業では、お客様が返却する際に「送られてきた箱」をそのまま再利用するケースがほとんどです。通常のダンボールでは、開封時にカッターで傷ついたり、テープを剥がす際に破損したりして、数回で廃棄となることが少なくありません。
コスト削減の観点からは、以下のような資材が有効です。
- プラダン(プラスチックダンボール):耐久性が高く、数十回の往復に耐えられる。
- 強化ダンボール:通常の素材よりも強度が強く、繰り返し利用に適している。
- 専用ソフトケース:アパレルや精密機器など、形状に合わせたクッション性のあるバッグ。テープ不要で封ができる仕様が望ましい。
配送キャリアとサービスの最適化
各配送会社の特徴を理解し、自社の商材や発送ボリュームに合わせた契約を行うことが重要です。
法人契約(特約運賃)の活用
一定の発送個数が見込める場合、配送会社と法人契約を結ぶことで、通常料金よりも安価な「特約運賃」が適用される場合があります。また、月ごとの請求書払いが可能になり、経理業務も効率化されます。
| 配送会社 | ビジネス向けページ | 特徴 |
|---|---|---|
| ヤマト運輸 | 法人のお客さま | 法人割引や、送り状発行システムが利用可能。きめ細かな配送日指定が強み。 |
| 佐川急便 | 法人のお客さま | サイズや重量に応じた柔軟な提案が可能。大きな荷物に強い傾向。 |
| 日本郵便 | 法人のお客さま | 実績に応じた割引。小型荷物の「ゆうパケット」などは安価で追跡も可能。 |
ミスを減らしコストを削る「オペレーション」のコツ
資材費や送料だけでなく、「作業時間(人件費)」や「配送ミスによる再送コスト」も削減対象です。
1. 梱包作業の標準化とマニュアル化
担当者によって梱包方法が異なると、過剰梱包による資材の無駄遣いや、逆に梱包不十分による破損(=損害)が発生します。「テープは1箇所のみ」「緩衝材はこの量」といった明確な基準を設け、誰がやっても同じ品質・時間で完了するようマニュアル化しましょう。
2. 送り状発行の自動化
手書きの送り状は時間がかかるだけでなく、書き損じのリスクがあります。ShopifyなどのECプラットフォームを利用している場合は、受注データから送り状をワンクリックで発行できるアプリ(Ship&coなど)を導入し、手作業を極限まで減らしましょう。
レンタルGOを活用した「在庫・期間管理」で無駄をなくす
レンタル事業におけるコスト削減は、単に「安く送る」だけではありません。「いつ、何が、どこにあるか」を正確に把握し、回転率を高めることが、結果として保管コストや機会損失を防ぎます。
Shopifyアプリ「レンタルGO」を活用すれば、以下のようなオペレーション効率化が実現します。
- リアルタイムの在庫把握:貸出中・返却待ち・メンテナンス中のステータスを自動管理。
- カレンダー予約機能:お客様が配送希望日を指定できるため、受取不在による持ち戻り(配送キャリアへの負担や返送リスク)を軽減。
- 延滞管理:返却期限の管理をシステム化し、スムーズな回収を促進。
物理的な配送コストと合わせて、管理にかかる「見えないコスト」も削減していくことが、利益体質なレンタル事業を作るポイントです。
まとめ:小さな改善の積み重ねが大きな利益を生む
梱包・発送コストの削減は、一度見直して終わりではありません。配送キャリアの料金改定や新しい資材の登場に合わせて、定期的に見直しを行うことが大切です。
特にレンタル事業は、物流と在庫管理が密接に関わっています。Shopifyでレンタル事業を運営されている方は、ぜひ「レンタルGO」の機能も活用し、バックオフィス業務全体の効率化をご検討ください。
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