チャット接客ツールを導入し、サイト訪問者の予約を後押しする方法

「商品ページへのアクセスはあるのに、なかなか予約につながらない」「在庫確認の問い合わせメールを返信する頃には、お客様の熱が冷めてしまっている」

レンタルECサイトを運営していて、このようなお悩みはありませんか?

物販とは異なり、レンタル事業では「利用したい日に空いているか」「返却方法は簡単か」といった独自の疑問がユーザーの心理的ハードルになります。このハードルを即座に解消し、予約率(CVR)を劇的に高める手段として注目されているのが「チャット接客」です。

本記事では、Shopifyで構築したレンタルサイトにチャット接客ツールを導入し、予約システムアプリ「レンタルGO」と連携させて売上を最大化する方法を解説します。

目次

    チャット接客がレンタル事業のCVR(予約率)を高める理由

    一般的なECサイトに比べ、レンタルECではユーザーが「確認したいこと」が多岐にわたります。チャット接客は、これらをリアルタイムで解決できるため、非常に相性が良い施策です。

    1. 「その日に借りられる?」の不安を即座に解消できる

    レンタルを利用するユーザーにとって最も重要なのは「イベント当日に商品が手元にあること」です。メールでの問い合わせでは、返信を待つ間に「他のサイトで探そう」と離脱されてしまいます。

    チャットであれば、その場でスタッフが在庫状況を確認し、「◯月◯日なら空きがございます」と回答できるため、ユーザーの購買意欲が高い瞬間に予約を後押しできます。

    ECサイトにおけるチャットボット活用事例では、導入から8週間でCVRが38%向上した事例や、問い合わせ件数が5倍に増加した事例などが報告されています。引用元:ECサイトにおけるチャットボット活用事例10選!CVR・売上アップ | ニューラルオプト

    2. カゴ落ち(離脱)の直前で食い止める

    カートに商品を入れたものの、決済画面で「やっぱり手続きが面倒」「送料が不明確」などの理由で離脱してしまう「カゴ落ち」。チャットツールの中には、一定時間操作が止まったユーザーに対して自動で「何かお困りですか?」と話しかける機能を持つものもあります。

    この「あと一押し」があるだけで、迷っているユーザーを救うことができます。カゴ落ち対策については、入力フォームの最適化(EFO)も重要です。以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

    ▼あわせて読みたい
    カゴ落ち率を改善するEFO(入力フォーム最適化)のテクニック

    Shopifyで導入すべきおすすめチャット接客ツール

    Shopifyでレンタルサイトを運営している場合、連携が容易な以下のツールがおすすめです。

    Shopify Inbox(ショッピファイ インボックス)

    Shopifyが公式に提供している無料のチャットアプリです。管理画面と統合されており、顧客の過去の注文履歴を見ながら対応できる点が強みです。

    • 費用:無料
    • 特徴:「よくある質問」の自動回答機能や、チャット内での商品提案機能(商品カードの送信)が標準装備されています。まずはコストをかけずに始めたい場合に最適です。

    チャネルトーク(Channel Talk)

    CRM(顧客関係管理)に強いチャットツールです。LINE公式アカウントとの連携機能が強力で、Webサイト上のチャットだけでなく、LINE経由での問い合わせも一元管理できます。

    • 費用:無料プランあり(機能制限あり)、有料プランは従量課金など
    • 特徴:「以前レンタルした人」だけにメッセージを送るなど、リピーター育成にも効果を発揮します。

    LINE連携を行うと、チャットで接点を持ったお客様に対し、後日「ステップ配信」で再アプローチすることも可能になります。LINEを活用した追客・リピーター施策については、以下の記事も参考にしてください。

    ▼あわせて読みたい
    LINE公式アカウントでリピート予約を促進するステップ配信シナリオ

    「チャットで相談」から「レンタルGOで即予約」への導線設計

    チャットツールを入れるだけでは不十分です。重要なのは、チャットで疑問が解決したユーザーを、スムーズに「予約完了」まで誘導することです。

    ここで、ShopifyアプリレンタルGOの機能が活きてきます。

    具体的な成功パターン

    以下のようなフローを構築することで、接客から予約までの取りこぼしを防ぎます。

    1. ユーザー:チャットで「このドレス、来週の結婚式(10/15)に使いたいのですが空いてますか?」と質問。
    2. スタッフ:ストアフロント(商品詳細ページ)のカレンダーを見て、希望日の在庫があるかを確認。
    3. スタッフ:「はい、10/15は空きがございます。こちらのページのカレンダーから10/15を選択してご予約ください」と返信し、商品ページのURLを送信
    4. ユーザー:送られてきたリンクをクリックし、レンタルGOのカレンダー機能で日付を指定して決済完了。

    レンタルGOは、Shopifyの商品ページに「カレンダー予約機能」を実装できるため、チャットで案内されたユーザーは、迷うことなく希望日を選択して注文に進むことができます。

    ※なお、まとめて在庫を確認したい場合は、アプリ管理画面のレンタルプラン一覧から「貸出可能数をエクスポート」することで、CSVデータとして詳細な在庫状況を確認することも可能です。

    チャット回答の品質を高める「商品情報の整備」

    チャットで迅速に回答するためには、スタッフが商品の状態を正確に把握している必要があります。「傷はどの程度ですか?」「付属品は何がありますか?」といった質問に即答できなければ、チャットのメリットは半減します。

    そのためには、商品登録の段階で「ささげ業務(撮影・採寸・原稿)」を徹底しておくことが重要です。以下の記事では、レンタル品特有の商品情報の伝え方を解説しています。

    ▼あわせて読みたい
    レンタル品の魅力を伝える「ささげ業務」(撮影・採寸・原稿)完全マニュアル

    まとめ:接客の力でレンタルの予約ハードルを下げよう

    レンタル事業において、お客様の「借りたいけれど、ここが不安」という気持ちを解消することは、そのまま予約数の増加に直結します。

    • Shopify Inboxなどのツールで、リアルタイムに相談を受け付ける。
    • レンタルGOの機能を活用し、在庫状況を正確に把握・案内する。
    • チャットからスムーズにカレンダー予約へ誘導する。

    この3ステップを実践し、サイト訪問者を逃さず「予約」へとつなげましょう。

    Shopifyでカレンダー予約機能を実装するなら、レンタル・サブスクに特化したアプリ「レンタルGO」がおすすめです。在庫管理から配送期間の設定まで、レンタル特有の複雑な要件をシンプルに解決します。

    レンタルGOの詳細を見る

    この記事の監修者

    株式会社ミライガタリ代表取締役 上岡裕
    多数のレンタル事業者のECサイト構築を手がけ、業界に特化した豊富な実績を持つ。EC構築、アプリ構築の知見を土台に商工会議所等の相談員講師として活動し、多くの事業者のサポートを行う。事業のDX化による経営改善が得意領域。
    レンタル事業の社会的、経営的強さに魅せられEC構築サービス『レンタルGO』発案、開発。自身が代用を務める株式会社ミライガタリにてサービスを提供中。
    都城工業高等専門学校卒。1児の父。