その価格設定、本当に正しい?レンタル料金の値付けで失敗しないための3つのモデル

「商品は良いのに、なぜか利益が残らない…」
もしあなたがレンタルビジネスでこのような悩みを抱えているなら、その原因は「価格設定(値付け)」にあるかもしれません。

売り切り型のECとは異なり、レンタルビジネスでは「1つの商品が何回利用されれば元が取れるか(投資回収)」という視点が不可欠です。安すぎる価格は利益を圧迫し、高すぎる価格は利用者の離脱を招きます。

この記事では、レンタルビジネスにおける適正価格を導き出すための「3つの基本モデル」と、Shopifyアプリ「レンタルGO」を活用して利益を最大化するプラン設計のポイントについて解説します。

目次

    レンタルビジネスの利益構造を理解する

    具体的な値付けモデルに入る前に、レンタルにおける利益の基本式を押さえておきましょう。レンタルの利益は以下のように考えます。

    レンタルの利益 = (レンタル単価 × 回転数) − (商品原価 + メンテナンス費 + 配送・管理コスト)

    重要なのは「回転数(レンタル回数)」です。通常の販売では「売れたら終わり」ですが、レンタルでは「貸し出すたびにメンテナンスコスト」が発生し、「在庫が稼働していない期間(空室リスク)」も考慮する必要があります。

    この特性を踏まえた上で、代表的な3つの価格設定モデルを見ていきましょう。

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    モデル1:原価積み上げ型(コストプラス法)

    最も基本的で、失敗が少ないのがこのモデルです。「商品の購入コスト」と「運用コスト」を算出し、そこに「目標利益」を乗せてレンタル料金を決定します。

    計算の考え方

    • 商品購入価格:10万円
    • 目標回収回数:20回で元を取りたい
    • 1回あたりの基本原価:10万円 ÷ 20回 = 5,000円
    • 運用コスト(送料・メンテ):2,000円
    • レンタル料金:7,000円 + 利益分

    このモデルのメリットは、赤字になりにくいことです。特にビジネスの立ち上げ初期や、耐久性が高く長く使える商品(家具や産業機械など)に向いています。

    モデル2:市場相場型(競合比較法)

    競合他社や類似サービスの価格を調査し、それに基づいて価格を決める方法です。ユーザーが比較検討しやすい「カメラ」「家電」「WiFiルーター」などのコモディティ商品でよく採用されます。

    差別化のポイント

    単に競合より安くする「価格競争」は消耗戦になるため推奨されません。価格を同程度に設定しつつ、以下のような付加価値で選ばれる工夫が必要です。

    • セットプランの充実:カメラ本体だけでなく、SDカードや三脚をセットにする。
    • 補償の手厚さ:万が一の故障時の免責金額を安く設定する、あるいは独自の補償サービスを付帯する。
    • 受け取りの利便性:即日発送への対応や、実店舗での受け渡しなど、ユーザーが「すぐに使いたい」というニーズに応える仕組みを用意する。

    市場価格を意識しながらも、サービス全体でのバリューを伝えることが重要です。

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    モデル3:価値重視型(バリューベース法)

    「原価」ではなく、顧客がその商品を利用することで得られる「体験価値」や「需要の高さ」に基づいて価格を決めるモデルです。

    このモデルが有効なケース

    • 季節性が高い商品:夏祭りの浴衣、キャンプ用品、イベントグッズなど。利用時期が限定されるため、短期間で高単価な設定が可能です。
    • 購入前の「お試し」需要:高級美顔器や最新ガジェット。「失敗したくないから、高くてもまずは試したい」という心理に応えます。

    このモデルでは利益率を高く設定できますが、商品の魅力を伝えるためのコンテンツ(写真やLP)の質が重要になります。

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    「レンタルGO」で実現する柔軟な料金プラン

    ここまで紹介した3つのモデルを実際のサイト運営に落とし込むには、柔軟なシステムが必要です。Shopifyアプリ「レンタルGO」なら、戦略に合わせたプラン設定で収益性を高めることができます。

    1. 期間に応じた柔軟なプラン設定

    「レンタルGO」では、最短1日からの短期レンタルだけでなく、例えば30日の長期レンタルプランも設定可能です。

    • 短期プラン:単価を高く設定し、回転率で稼ぐ(モデル3向け)。
    • 長期プラン:例えば「30泊31日プラン」として、まとまった期間の料金を設定します。都度レンタルするよりも配送やメンテナンスの手間を減らし、効率よく利益を確保できます(モデル1向け)。

    2. 「そのまま購入」機能で出口戦略を作る

    レンタル品の在庫リスクを減らす有効な手段が「そのまま購入」です。
    これは、レンタルして気に入った商品を、利用者がそのまま買い取ることができる機能です。

    • メリット:レンタルで収益を上げた後、中古品として売却することで、最終的な利益(残存価値)を確定できます。
    • 設定方法:「レンタルGO」の上位プランでこの機能を有効化することで、レンタルプランと並行して「購入オプション」を提示できます。

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    3. 店舗受取と配送の使い分け

    送料は利益率を圧迫する大きな要因です。実店舗をお持ちの場合、上位プランの機能である「店舗受取」を導入することで、送料コストを削減し、その分を価格競争力に転嫁することができます。

    Webブラウザの管理画面から注文状況を確認できるため、店頭スタッフがスムーズに受け渡しを行う運用が可能です。

    まとめ:自社商品に合ったモデル選びを

    価格設定は一度決めたら終わりではありません。以下のサイクルを回すことが成功の鍵です。

    1. 商品の特性に合わせて「原価積み上げ」「市場相場」「価値重視」からモデルを選ぶ。
    2. 「レンタルGO」でプランを設定し、反応を見る。
    3. 稼働率(回転数)が悪ければ価格を見直すか、「そのまま購入」などで別の出口を用意する。

    適切な価格設定と、それを実現するシステムがあれば、レンタルビジネスの収益性は確実に向上します。ぜひ、貴社のビジネスモデルに合った最適なプランを検討してみてください。

    レンタルGOで収益性の高いレンタルサイトを作る

    この記事の監修者

    株式会社ミライガタリ代表取締役 上岡裕
    多数のレンタル事業者のサポートを行い、業界に特化した豊富な実績を持つ。自身が代表を務める株式会社ミライガタリにてレンタル事業EC構築サービス『レンタルGO』を提供中。
    ECサイト構築、予約アプリ/マッチングアプリ等のプロダクト開発を手がける中、商工会議所等の相談員講師としても活動し、多くの事業者のマーケティング支援、DX化による経営改善等を行う。
    都城工業高等専門学校卒。1児の父。