【保存版】レンタル事業の利益率を5%改善する原価計算とコスト削減術

「レンタル商品は稼働しているはずなのに、なぜか手元に現金が残らない」

多くのレンタル事業者が抱えるこの悩み。その原因は、レンタル特有の複雑な「原価計算」と、見えない「管理コスト」にあるかもしれません。

商品を一度販売して終わりの小売業(物販)とは異なり、レンタル事業は長期にわたって収益を上げるモデルです。そのため、利益率を正しく把握するには、時間の経過とともに発生するコストを正確に理解する必要があります。

この記事では、レンタル事業の利益率を確実に改善するための「原価計算の基礎」と、Shopifyアプリ「レンタルGO」を活用した具体的な「コスト削減術」を解説します。

目次

    レンタル事業の利益構造と「原価」の正体

    まず、レンタルビジネスにおいて「何がコスト(原価)なのか」を明確にしましょう。小売業であれば「仕入れ値」がそのまま売上原価になりますが、レンタルの場合は考え方が少し異なります。

    1. 仕入れ代金は「減価償却費」として考える

    レンタル商品は、購入した瞬間に全額が経費になるわけではありません(少額資産を除く)。会計上は「固定資産」として計上され、数年にわたり「減価償却費」として費用化されます。

    つまり、レンタル事業における「原価」の大部分は、この減価償却費です。

    • 計算式: (商品購入価格 ÷ 耐用年数) + メンテナンス費用 = 実質的な原価

    1ヶ月あたりのレンタル料金を決める際は、この償却費に加え、保管料や人件費を上乗せして利益が出るように設計する必要があります。

    関連情報:
    レンタルと物販の利益構造の違いや、長期的な資産としての考え方については、以下の記事でも詳しく解説しています。
    レンタルビジネスの資金調達!金融機関へのアピールポイントを解説

    2. 見落としがちな「見えないコスト」

    原価計算で多くの事業者が失敗するのが、以下の「変動費」の計算漏れです。

    コストの種類内容対策
    メンテナンス費返却後の清掃、修理、クリーニング代耐久性の高い商品選定、クリーニングの内製化/外注の最適化
    配送・梱包費発送・返送にかかる送料、梱包資材費梱包サイズの縮小、受け取り方法の多様化
    在庫保管費倉庫代、商品を管理するスペース費用回転率を上げ、不動在庫(デッドストック)を減らす

    特に「在庫保管費」は、商品が稼働していない間も発生し続けるため、利益率を圧迫する最大の要因となります。

    利益率を5%改善する3つのコスト削減アプローチ

    原価の構造がわかったところで、具体的に利益率を高めるための3つの手法を見ていきましょう。

    ①稼働率(回転率)を高めて償却期間を短縮する

    レンタル品の原価(減価償却費)は固定です。つまり、同じ期間内に何回貸し出せるかが利益率に直結します。

    例えば、月間の稼働率が50%から60%に上がるだけで、商品の寿命が来るまでに得られる総収益は大きく跳ね上がります。稼働率を上げるためには、予約の取りこぼしを防ぐリアルタイムな在庫管理が不可欠です。

    関連情報:
    在庫管理の不備が機会損失を生むメカニズムについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
    【経営者必見】レンタル事業で「儲からない」と言われる本当の理由と失敗する企業の特徴

    ②「そのまま購入」機能で出口戦略を作る

    レンタル事業で最も避けるべきは、流行が過ぎて借り手がつかなくなった「不良在庫」を抱え続けることです。保管コストがかかり続けるだけの資産は、早めに現金化する必要があります。

    そこで有効なのが、レンタルして気に入った商品をその場で買い取ることができる「そのまま購入」という仕組みです。

    この機能があれば、減価償却が終わった商品や、型落ちしそうな商品をスムーズに販売(売却)し、次の仕入れ資金に回すことができます。これはShopifyアプリ「レンタルGO」の上位プランなどで利用可能な機能であり、在庫リスクを最小化する強力な手段となります。

    ③アナログ管理をやめて「人件費」を削減する

    意外と見落とされがちなのが、「予約管理にかかる人件費」です。

    • Excelで予約台帳をつけている
    • 電話やメールで在庫確認をしている
    • ダブルブッキングの対応に追われている

    こうした作業にスタッフが1日2時間費やしているとすれば、時給1,500円として月額約9万円のコストが発生しています。ここをデジタル化するだけで、利益率は数%改善します。

    レンタルGOを活用した「利益体質」への転換

    Shopifyアプリ「レンタルGO」は、単なる予約システムではありません。ここまで解説した「コスト削減」と「利益最大化」を実現するための機能が備わっています。

    正確な在庫管理で「機会損失」と「トラブル」をゼロに

    レンタルGOは、注文完了と同時に在庫が確保される仕組みです。Excel管理で起こりがちな「台帳への記入漏れによるダブルブッキング」をシステムが未然に防ぎます。

    トラブル対応という「利益を生まない時間」を削減し、スタッフは接客や商品企画などの付加価値の高い業務に集中できるようになります。

    店舗受取による配送コスト削減

    ECサイトでのレンタルにおいて、大きなコスト要因となるのが「送料」です。
    レンタルGOの上位プランで利用できる「店舗受取」機能を活用すれば、近隣のお客様には来店を促すことができます。これにより、往復の送料を削減できるだけでなく、ついで買い(クロスセル)による客単価アップも期待できます。

    運用上のポイント:
    店舗受取と配送レンタルの両方を行う場合、トラブル防止のため、それぞれの在庫(商品)は分けて登録・管理するのが鉄則です。

    まとめ:数値管理とDXで利益は必ず改善する

    レンタル事業の利益率改善は、魔法のような裏技があるわけではありません。「正しい原価計算」に基づき、「稼働率」を上げ、「無駄な管理コスト」を削る。この基本を徹底することが最短の近道です。

    Excelや手作業での管理に限界を感じているなら、システムの導入を検討すべきタイミングかもしれません。ShopifyとレンタルGOを活用して、利益の出る筋肉質なレンタル事業を構築しましょう。

    次のステップ:
    まずは自社のレンタル商品の「稼働率」と「管理にかかっている時間」を一度計算してみてください。もし管理コストが高すぎると感じたら、ぜひレンタルGOの導入をご検討ください。

    レンタルGOで利益体質のレンタルサイトを作る

    この記事の監修者

    株式会社ミライガタリ代表取締役 上岡裕
    多数のレンタル事業者のサポートを行い、業界に特化した豊富な実績を持つ。自身が代表を務める株式会社ミライガタリにてレンタル事業EC構築サービス『レンタルGO』を提供中。
    ECサイト構築、予約アプリ/マッチングアプリ等のプロダクト開発を手がける中、商工会議所等の相談員講師としても活動し、多くの事業者のマーケティング支援、DX化による経営改善等を行う。
    都城工業高等専門学校卒。1児の父。