運転資金がショートする前に!レンタル事業の資金繰り改善チェックリスト

「帳簿上は黒字なのに、手元の現金が足りない」

これは、商品を資産として抱えるレンタル事業者が直面しやすい最大の悩みです。レンタルビジネスは、仕入れ(投資)が先行し、回収が長期間にわたるビジネスモデルであるため、一般的な小売業よりも資金繰り(キャッシュフロー)の管理が難しくなります。

運転資金がショートしてしまうと、たとえ人気商品を持っていても事業の継続は不可能です。本記事では、レンタル事業の経営者や担当者に向けて、資金繰りを改善するための具体的なチェックリストと、デジタル活用による解決策を解説します。

目次

    なぜレンタル事業の資金繰りは苦しくなるのか?

    対策を講じる前に、レンタル事業特有の資金構造を理解しておく必要があります。主な要因は以下の3点です。

    • 初期投資の重さ:商品を揃えるための先行投資(仕入れ代金)が大きく、現金が出ていくタイミングが早い。
    • 回収の遅さ:レンタル料金として少しずつ回収するため、投資額を回収するまでに時間がかかる。
    • 維持コストの発生:在庫保管料やメンテナンス費など、商品が稼働していなくてもコスト(ランニングコスト)が発生し続ける。

    この構造を変えることは難しいですが、運用を最適化することでキャッシュフローを健全化することは可能です。以下のチェックリストに沿って、自社の状況を見直してみましょう。

    参考記事:
    【経営者必見】レンタル事業で「儲からない」と言われる本当の理由と失敗する企業の特徴

    資金繰り改善チェックリスト【運用編】

    まずは、追加のシステム投資などをせずに、日々の運用で見直せるポイントです。

    1. 商品の稼働率(回転率)は適正か?

    倉庫に眠っている在庫は、利益を生まないどころか保管コストを食いつぶす「負債」に近い存在です。稼働率が低い商品がないか確認しましょう。

    • 対策:稼働率が低い商品は、セット商品として安く提供するか、トップページで特集を組んで露出を増やす。

    2. 料金設定(プライシング)は見合っているか?

    競合を意識しすぎて価格を下げすぎていませんか?または、長期レンタルの割引率が大きすぎませんか?

    • 対策:繁忙期(ハイシーズン)価格を導入する、または短期レンタルの単価を上げて利益率を確保する。

    参考記事:
    レンタルビジネスの資金調達!金融機関へのアピールポイントを解説

    3. 「遊休資産」を現金化しているか?

    レンタル需要がなくなった古いモデルや、過剰在庫をそのままにしていませんか?これらを売却して現金に変えることが、即効性のある資金繰り対策になります。

    • 対策:型落ち品を中古市場(二次流通)で売却する。または、レンタル利用者に「そのまま購入」のオファーを出す。

    資金繰り改善チェックリスト【コスト・入金編】

    次に、お金の入りと出のタイミング、およびコスト構造に関するチェック項目です。

    4. 入金サイクルを早められないか?

    企業間取引(BtoB)で「末締め翌月末払い」などの掛売りを行っている場合、入金までのタイムラグが資金繰りを圧迫します。

    • 対策:クレジットカード決済や前払い制度を導入し、現金化のスピードを早める。
    • 対策:長期レンタルの場合、一括前払いで割引をするプランを用意する。

    5. 在庫管理コスト(保管費・配送費)を削減できているか?

    外部倉庫の保管料や、配送にかかるコストは利益率を直接圧迫します。

    • 対策:近隣の顧客に対しては「店舗受取(店頭受取)」を推奨し、配送コストを削減する。

    コスト削減のヒント:
    配送費や保管費を削減することで、利益率を数%改善できる可能性があります。詳細な計算方法は以下の記事で解説しています。
    【保存版】レンタル事業の利益率を5%改善する原価計算とコスト削減術

    Shopifyアプリ「レンタルGO」を活用した資金繰り対策

    チェックリストの多くの項目は、人力での管理だけでは限界があります。そこで有効なのが、Shopifyアプリを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)です。
    「レンタルGO」を活用することで、以下のような資金繰り改善策をシステム的に実行できます。

    1. 「そのまま購入」機能で在庫を即現金化

    「レンタルGO」の上位プランで利用できる「そのまま購入」機能を活用すると、レンタル中の商品を気に入った顧客が、差額を支払ってそのまま買い取ることが可能になります。

    • メリット:レンタル終了を待たずに、資産(在庫)を現金化できます。
    • メリット:中古市場へ出品する手間や手数料が不要になり、利益率が高まります。

    2. Webブラウザ管理で機会損失を防ぐ

    電話や紙台帳での予約管理では、リアルタイムの在庫状況が把握できず、「本当は貸せるのに断ってしまった」という機会損失(ダブルブッキング回避のための過剰な安全策)が発生しがちです。
    「レンタルGO」はWebブラウザ上で在庫状況を可視化するため、ギリギリまで予約を受け付けることができ、稼働率を最大化できます。

    注意点:
    在庫の確保は「注文完了時」に行われます。カレンダーで日程を選択した段階では在庫は確保されないため、人気商品は決済を急ぐよう案内するとスムーズです。

    3. 店舗受取で配送コストをカット

    「レンタルGO」の上位プランで利用可能な「店舗受取」機能を活用することで、Webで注文して店頭で受け取る運用が可能になります。

    • メリット:往復送料が浮くため、その分を利益として残せます。
    • メリット:店頭でのついで買い(クロスセル)も期待できます。

    さらに、運用次第で「今すぐ使いたい」というニーズを取り込むことも可能です。

    即日レンタル(当日予約)への対応について:
    店舗受取を有効にした上で、管理画面で商品の配送準備期間(準備日数)を「0日」に設定すれば、予約当日の受け渡しも受付可能になります。
    ※店舗受取と配送レンタルを併用する場合、トラブル防止のため「店頭用在庫」と「配送用在庫」は商品を分けて登録・管理する必要があります。

    まとめ:資産を寝かせず、効率よく循環させよう

    レンタル事業の資金繰りを改善する鍵は、「在庫の回転率を上げること」と「現金の回収を早めること」に尽きます。

    ドンブリ勘定での経営は、黒字倒産のリスクを高めます。まずは今回紹介したチェックリストを確認し、システムで自動化できる部分は「レンタルGO」のようなアプリに任せることで、キャッシュフローに強い筋肉質な経営を目指しましょう。

    機能資金繰りへの効果
    そのまま購入遊休資産の即時現金化、在庫リスク低減
    店舗受取設定配送コスト削減、利益率向上
    Web在庫管理機会損失の防止、稼働率最大化

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    在庫管理の自動化、店舗受取、そのまま購入など、利益率を高める機能が充実しています。まずは公式サイトで詳細機能や導入事例をご覧ください。

    Shopifyレンタルアプリ「レンタルGO」公式サイトはこちら

    Shopifyでのレンタルサイト構築や、具体的なアプリの導入については、以下の記事も参考にしてください。

    世界シェアNo1!通販カートシステムShopifyとは

    この記事の監修者

    株式会社ミライガタリ代表取締役 上岡裕
    多数のレンタル事業者のサポートを行い、業界に特化した豊富な実績を持つ。自身が代表を務める株式会社ミライガタリにてレンタル事業EC構築サービス『レンタルGO』を提供中。
    ECサイト構築、予約アプリ/マッチングアプリ等のプロダクト開発を手がける中、商工会議所等の相談員講師としても活動し、多くの事業者のマーケティング支援、DX化による経営改善等を行う。
    都城工業高等専門学校卒。1児の父。